【徳島支局】自慢の窯と自家産麦を使って日本式の「クロパン」を提供する鳴門市の樫原道雄さん(91)と田渕豊さん(73)。徐々にそのおいしさが地域の人たちに広まっているという。
戦後、シベリアの地に捕虜として抑留されていた樫原さん。現地の人が口にするクロパンを焼きながら、「いつか日本人に合うクロパンを」と思っていたという。
樫原さんは現在、小麦「せときらら」を約30アール栽培。その麦を現地と同様に全粒粉にしたものをクロパンの材料として使っている。
樫原さんは、自分の活動に共感した田渕さんにクロパンの作り方を伝授。田渕さんは、子どもたちに伝えたい「食育」の思いを込めて大切に作っている。
〈写真:クロパンの製法を受け継いだ田渕さん〉