【高知支局】「何年やっても難しいですね」と話す、室戸市佐喜浜町の西河誠司さん(54)。栽培する水稲約330アールのうち6アールで無農薬マルチ栽培を行っている。
西河さんが行う水稲布マルチ直播有機栽培は、水を抜いて乾燥させた田に、不織布シート(1.1メートル幅)を2枚重ねて間に種もみを20センチ間隔で挟み込んだものを一面に張り、シートの下に深さ5~10センチの水を張る。シートを約2週間水に浮かせた状態で、根が出て葉が3枚出たら水を抜いて根を着土させると地中に根が張る仕組み(水田が凸凹だと不安定になるので注意が必要)。シートにより大部分の雑草が成長できないため、除草の労力軽減になる。
「雑草対策になり、田植えの機械もいらないことが利点ですが、風の強い日などの作業はシートがあおられ、敷くのに手間がかかります。管理が大変ですが、今後も続けていきたいと思っています」と西河さんは笑顔で話してくれた。
〈写真:水稲布マルチ直播有機栽培のシート張り作業を行う西河さん〉