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村復興へエゴマ ―― 加工・販売、種子を無料配布【福島支局・2015年6月2週号】

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 【福島支局】エゴマの栽培や商品開発を行う、鮫川村赤坂中野の「特産さめがわ合同会社」(前田勝之代表=57歳)。商工会員が出資して設立された同社では、生産者からエゴマを一律の価格で買い取り、県内外のスーパーなどに卸すほか、エゴマ油をはじめ、ドレッシングやサプリメントなど、加工品の製造販売にも力を入れている。
 原発事故後は売れ残りが発生し、農家からの買い取りを一部控えざるを得なかったが、2015年産の耕作面積は5月末現在、昨年に比べ80アールほど増え約5ヘクタール。
 村では本年度、エゴマに助成制度を設けて生産拡大を目指している。同社の買い取り価格に1キロ当たり300円を上乗せするというものだ。また、同社では耕作希望者に種子を無料で配布し、増産を目指している。
 商工会の高坂修一事務局長(65)は、「今年に入り若い世代の生産者が増えたのは喜ばしいこと。今後もエゴマの作付けを促していきたい」と新規耕作者開拓を目指す。
 前田代表は「鮫川のエゴマは生産者の方が丁寧に育てているので、香り高く味も濃いです。供給を安定させて、村復興の良いPRになれれば」と期待を寄せる。


〈写真:「種子の無料配布は継続したい」と、前田代表(左)と高坂事務局長〉