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地域通貨で信頼むすぶ お米とも交換できる「おむすび通貨」 ―― 愛知県豊田市など5市(1面)【2015年6月2週号】

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 愛知県豊田市周辺で使われる「おむすび通貨」は、米を基準とした「米本位制」の地域通貨だ。レストラン・スーパー・自動車整備工場など中小事業者への代金支払いに利用でき、有効期限後に中山間地で栽培される提携農家の米と交換できる。発行元の一般社団法人「物々交換局」で理事を務める米農家の鈴木啓佑さん(35)は「利用を広げることが重要だ。みんなが食べる米と替われば通貨の信頼も増す」と説明する。通貨を使って子どもたちが販売などを体験するイベントを開き、働く楽しさやお金の価値などを学ぶ機会としている。お互いが使い合うことでお金や人材の流出を防ぎ、個人商店など多様な産業の振興を図っている。

●地域通貨●
 地域活性化や環境保全などを目的に発行され、特定の地域や共同体だけで使える通貨。形式は、紙幣型のほか通帳型や小切手型などもある。米国や欧州などでは広く利用される通貨もあり、国内でも千葉県の「ピーナッツ」などの導入事例がある。

(1面)

〈写真:「農家も中小企業の一員。みんなが支援し合う仕組みに貢献したい」と、こども商店街で通貨を手に鈴木さん〉
〈図:おむすび通貨(むすび)の用途〉