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深谷もやし・絵本監修、栽培キット販売など ―― 価値向上へ楽しく【埼玉支局・2015年6月1週号】

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 【埼玉支局】深谷市内で初のモヤシ製造業として1959年に創業した「(有)飯塚商店」(飯塚雅俊代表=51歳)では、「本当のモヤシの風味」を提供するため、創業当時と同じ手作業で「深谷もやし」を生産している。
 深谷もやしは、ミャンマー産のブラックマッペ種(ケツルアズキ)を栽培。収穫から洗浄、包装まですべて手作業で行う。
 一般的な太いモヤシに使われるエチレンガスの濃度を極力抑えて栽培することで、見た目は細いが、モヤシ本来の力強さやハーブのような香り、濃厚な味が特徴だ。1日に出荷できるのは500キロほど。200グラム160円程度で販売されている。
 消費者から「モヤシってこんな味なんですね。おいしい」と言われ、「自分が栽培するモヤシは間違いではない」と確信。「『モヤシは安いもの』という価値観を面白い活動で変えたい」と考えた。
 09年にモヤシの絵本「も〜やん・もんちゃんのキラキラ成長記(作画=ことな)」を監修し、モヤシができるまでをまとめた本を発売。絵本の作製を機に新聞や業界紙などに掲載され、テレビでも紹介されるようになった。
 11年には種と栽培マニュアルをセットにしたもやし栽培キットを販売。学校教材として好評だという。モヤシ関連商品をはじめ、町おこしのイベントなどでモヤシのつかみ取りや収穫体験など珍しい企画も実施する。
 飯塚さんは「面白い活動をこつこつ続けて思いを伝え、モヤシの価値を高めていきたい」と意気込む。



〈写真上:モヤシの出来を確認する飯塚さん。「細長く、濃厚な味がする」と深谷もやしの特徴を話す〉
〈写真下:とんとん市場深谷店で販売している500グラム入り〉