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防風林「農機の値上げに冷静な判断を【2015年5月4週号】」

 ▼環境省の「特定特殊自動車排ガス(3次)規制」の適用により9月以降、小・中型トラクターやコンバインなどの新車販売価格が値上がりする。排ガス中の微粒子・窒素酸化物の9割削減に対応した新機構の装着により製造コストが跳ね上がる。  ▼今回の適用となる26〜50馬力クラスは、国内出荷台数の約6割に相当し今後、農家への影響は必至だ。「値上げ幅は2割程度。適用対象外の中古農機も上がるのでは」と関係者は指摘する。  ▼昨年の消費税増税や米価下落など農家経済が冷え込む中、この出費増が買い控えや営農意欲を削いでしまうのでは...と心配だ。  ▼適合表示がない機械の使用で30万円以下の罰金というから、環境保全とはいえその代価は高額で縛りも強い。新たな機械化政策の検討が農林水産省で始まり、機械費低減対策に水を差す。  ▼値上げ前の購入も手段の一つ。だがその前に、所有機械が経営規模に合う適正導入か点検すべき。一ランク小型の機種でも効率化が図れれば、買い急がず計画通り更新する手もある。ひいては、購入額や燃料費も抑えられる契機になれるかも。冷静な対処が必要だ。