【宮城支局】草履作りを始めて70年以上になる、登米市中田町の小野寺慧悟さん(84)。水稲を収穫した後に残るわらを使って、自作の道具で草履やわらじを編み、現在は着物や布団を利用した布草履も手掛けている。
「草履作りは最初の編み込みが重要」と小野寺さん。つま先部分は形状に丸みをつけるため、無理に生地を引っ張らず丁寧に編み込む必要があるという。
1日に作ることができる数は、多い時で5足。地元の直売所で自家野菜と一緒に販売する他、地区の行事で贈り物用として提供することもある。「『ありがとう』と言ってもらえて、とてもうれしい」
小野寺さんは、子どものころに母親と一緒に草履を編んだ楽しさを今でも覚えているという。「これからも作り続けたい」と、完成したばかりの草履に思いを込める。
〈写真:作業する小野寺さん〉