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太陽光利用型植物工場で実証実験 ―― 大玉トマトを50トン採り【愛知支局・2015年5月4週号】

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 【愛知支局】豊橋市西幸町の太陽光利用型植物工場「イノベーティブグリーンハウス(IGH)」では、大玉トマトの国内品種で日本初となる10アール当たりの年間収量50トンを達成した。「このノウハウを地域の農家にどんどん取り入れてもらいたい」と話すのは株式会社サイエンス・クリエイトの専務・原田公孝(はらだきみたか)さん(63)。
 植物工場は、第三セクターのサイエンス・クリエイト、イノチオホールディングス株式会社(イシグロ農材株式会社)、豊橋技術科学大学など6社1大学で運営。2012年7月から年間収量50トンを目指し、実証実験を開始した。
 14年2月から12月にかけての2作目で、50.6トンの収穫を達成した。品種は「りんか409」。成功した要因についてイノチオホールディングス株式会社事業開発部の鈴木邦典(すずきくにのり)さんは、「トマト作りには光合成と環境のバランスが大切です。生育調査データを基にした管理が生きたと思います」と話す。
 植物工場は、地域農業発展のためのプロジェクト。実証実験したノウハウのマニュアル作成を進めている。すべて導入するには大がかりで高価な設備が必要だが、可能なものから実際の現場で取り入れ、地域の平均収量25トンのさらなる拡大を図ることで、経営の安定化を狙う。
 3作目となる今年は55トンの収穫を目指す。「昨年は、天候に恵まれなかった中での50トン採り達成なので、55トンは十分可能です」と原田さんは話す。


〈写真上:環境管理された植物工場内〉
〈写真下:生育調査をするスタッフ〉