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食品残さの堆肥で野菜 ―― 味が評判 県内外から注文【岐阜支局・2015年5月2週号】

150506_08.jpg 【岐阜支局】環境保全を基本とした循環型農業に取り組む各務原市の農事組合法人各務原農園の代表・小林隆哲さん(58)。食べ残しや廃棄処分される食材を堆肥として農作物の生産に利用する。農園では化学肥料を使用せず、食品残さともみ殻を合わせて発酵させた堆肥を有機肥料に、安全・安心な野菜の生産、販売を手掛けている。
 レストランなどから回収した食品残さは、農家から引き取ったもみ殻と合わせ、高速発酵機で1〜2時間混合・攪拌(かくはん)・発酵。水分補正のためのもみ殻は食品残さの量や質によって調整する。週に2〜3回混ぜ返して発酵を促し、およそ1カ月間寝かせる。
 有名レストランと販売契約し、小林さんは「プロから、おいしいと言ってもらえた。客観的な味の評価が得られたことで、やってきて良かったなと思えたね」と笑顔を見せる。
 味が濃く、日持ちもする農園の野菜は、県内や近県のレストランからも注文が入る。「一番の違いは、口に入った瞬間に広がる風味。これがシェフにも気に入ってもらえたと思っている」と小林さんは話している。


〈写真:堆肥の温度は50〜60度を維持して発酵させる〉