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防風林「ドローンの悪用が活用への期待を裏切ることも【2015年5月1週号】」

 ▼日本では、無人航空機や小型無人飛行機と訳されている。首相官邸の屋上に落ちた「ドローン」のことだ。多様な産業で活用が期待されているのに、悪用事例が目立つと規制で可能性の芽を摘むことにならないか心配だ。
 ▼最近テレビなどで目にするのは複数のプロペラで浮上する小型のタイプが多いが、無人で飛行する装置を総称してドローンと呼ぶそうだ。水稲や麦・大豆の防除で活躍する産業用無人ヘリコプターのほか、飛行機型も含まれる。
 ▼今後は精密農業への応用が期待されている。カメラやセンサーを搭載したドローンを圃場に飛ばせば、作物の生育や土壌の状態などの情報が一定の区画単位で蓄積できる。データに基づいた適切な肥培管理などが可能になる。
 ▼カメラを搭載する程度なら小型でよく、投資は比較的安価で済む。プログラムに従って操縦しなくても飛ぶ自律型の技術開発が進めば、圃場へのイノシシ侵入などを防ぐ獣害対策にも役立つのではないか。
 ▼報道では、過激組織のイスラム国に対する空爆も無人機が担っているという。だが、誰が相手でも兵器には使わないでほしい。