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水稲播種機を改良 ―― 土入れを効率的かつ安全に【宮城支局・2015年5月1週号】

150501_09.jpg 【宮城支局】「作業をするだけではなく、常に改善点を見つけてきた」と話す、美里町の松田正敏さん(74)。地域の農家と共同で水稲の播種作業をしながら、播種機の改良に取り組んでいる。これまでに手掛けた主な改良点は(1)負担軽減・効率的な土入れ(2)作業場の安全性・清潔感の確保――の二つ。
 パイプとベニヤ板で自作した枡(ます)箱を、床土と覆土の投入場所にそれぞれ設置。床土用の底には、投入口の大きさの穴があり、フォークリフトでつるしたトン袋からスムーズに土入れができる。トン袋の下を囲う構造になっているため、万が一の落下に備えての安全性も確保されている。
 覆土用の枡箱は、昇降機と組み合わせて活用する。枡の中から掃き出すようにして土入れができるため、腰への負担が軽減されたという。
 また、苗箱に灌水(かんすい)したときに出る余分な水は、プラ舟とパイプで作った排水管で処理。排水口を高めに設計し、プラ舟にたまる土は、スコップでかき出すことで、管のつまりを防いでいる。
 播種機は同町で水稲17ヘクタールを作付けする柴垣啓さん(42)が所有。松田さんは柴垣さんに栽培を委託している。柴垣さんは「松田さんは物作りの発想がすごい。安全に作業ができ、作業効率も年々上がってとても感謝している」と話す。
 松田さんは「農家の高齢化で作業すること自体が大変になっている。経費を掛けずに楽にできる工夫をこれからも考えていきたい」と意欲的だ。


〈写真:改良した播種機〉