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葉タバコに充実 ―― 産地担う若い力【栃木支局・2015年5月1週号】

150501_06.jpg 【栃木支局】益子町北中の小宅一成(おやけかずなり)さん(31)は、20歳で就農し、葉タバコ栽培を続けている。かつては県内有数の葉タバコ産地だった益子町だが、栽培農家は現在21軒に減少。小宅さんは、「課題も多いですが、続けることで何か新しいことが見えてくると思います。耕作組合の統合で、県外に多くの仲間もできました。これからも高品質なタバコを目指し、栽培を頑張っていきたいです」と意気込む。
 小宅さん方は代々、葉タバコを栽培し、小宅さんも子どものころ、夏休みや冬休みに手伝いをしていたため、栽培を身近に感じていた。祖父から葉タバコ栽培を勧められたことがきっかけで就農し、5年前に経営を引き継いだ。小宅さんは、「農作業は母が中心だったので、自分がやらなければと思いました」と笑う。
 現在、米麦と葉タバコ(3ヘクタール)合わせて20ヘクタールの輪作体系をとり、作業は両親との3人で行う。栽培品種は、「つくば」。県内や茨城県では主流の品種で、背丈が高く収穫しやすい。
 小宅さんは、「葉の熟度に注意して収穫しています。葉タバコ栽培は、短期間にさまざまな作業を同時に進めなければなりません。手を抜くと品質が落ちるので、仕事を追いかけるくらいの勢いで早めに作業を進めたいですね」と話す。
 小宅さんは、「葉タバコ栽培の魅力は、全量買い上げなので、収入が安定していることです。今後は品質を維持しながら、10アール当たり270キロの生産を目指し、産地の誇りを持って栽培に励んでいきたいです」と話してくれた。


〈写真:高品質な葉タバコ栽培を目指す小宅さん。「葉タバコの魅力は全量買い上げなので、収入が安定していることです」〉