宮崎県日南市萩之嶺の農家民宿「上の丘」を拠点に、山あいの集落がにぎわいを見せている。経営する井上長生(おさお)さん(58)・悦子さん(53)夫妻は過疎化の進む地域に活気を呼び戻そうと、地元を盛りあげる仲間づくりを促進する。「ここに昔からある、みんなが助け合い団結する気持ち『和協一(わきょういち)』を、後世につなぎたい」と長生さん。民宿で季節ごとの収穫体験などを用意し都市部から人を呼び込む。宿泊客に周辺の観光農園も紹介、近隣住民に協力を依頼し交流してもらう。宿泊をきっかけに移住した新規就農者が観光イチゴ園を経営し、民宿の利用者も受け入れる。農園やケーキ工房などが名前に共通で「上の丘」をつけ、約10戸が協力してイベントを開き一体感を強めている。
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〈写真:「昨日は眠れた?」「なかなか話が尽きなくて」と、長生さん・悦子さん夫妻が、宿泊した松元さんたちと会話する〉