【北海道支局】開拓農家の3代目にあたる遠軽町の前島英資(まえしまえいすけ)さん(77)は、家族と農業の100年の記録に取り組み、2013年12月、家族史「風雪に耐えて」を自費出版。作品は第19回林白言文学賞の特別賞を受賞した。
前島さんの作品は前島家の北海道開拓100年の歴史を記録したもので、遠軽町の農業史という面もある。
執筆のきっかけは10年ほど前、家族から前島家の歴史について話を聞いたこと。前島家が北海道開拓後100年を迎えることを知り記録に残したいと思ったという。
「史実を記録するだけでなく読者に分かりやすく親しみやすい記録を残そうと思いました。10年早く書き始めていれば人から直接生きた話を聞くことができました。本や資料に頼るしかないところは大変でした」と執筆する上での思いや苦労を振り返る。
12年前に後継者の英樹さんに経営を移譲し、現在は読書や野菜作りを楽しんでいる前島さん。「賞は頂いても農家の親父ですから」と気さくに話している。
〈写真:家族史「風雪に耐えて」と第19回林白言文学賞「特別賞」の楯を手に前島さん〉