ヘッドライン一覧 購読申込&お問い合わせ 農業共済新聞とは? 情報提供&ご意見・ご感想 コラム防風林

福島県浪江町で米の実証栽培 ―― 出荷再開を目指して【福島支局・2015年4月3週号】

150415_08.jpg 【福島支局】浪江町酒田地区で、営農再開に向けた水稲の実証栽培が今年も行われる。町では安全性を確認して出荷も考えていて、栽培に携わる農家も農作業の準備に力を入れている。
 実証栽培は、町と酒田農事復興組合(鈴木義雄組合長)が実施主体で、組合員の2人が実証田を提供し管理を行う。そのうちの一人、松本清人さん(76)は、避難先の川俣町から町内の自宅に通い、農作業開始に向けて農機具の手入れに余念が無い。「昨年は震災後初めて70アールの作付けを行い、無事に実りの秋を迎え、気持ちが晴ればれした」と笑顔で話す。
 昨年の実証栽培で作付けした「コシヒカリ」と「天のつぶ」は、玄米の放射性物質濃度が食品衛生法の基準値(1キログラム当たり100以下)を大きく下回った。町の担当者は「実証栽培は、データによる安全性の確認や、町の営農再開の可能性を見極めるために行います。2015年産米は、安全が確認されれば出荷も検討したい」と話す。


〈写真:トラクターの整備をする松本さん〉