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南三陸産ワカメの芯を給与 ―― 付加価値高い羊肉生産【宮城支局・2015年4月2週号】

1150408_08+09.jpg 【宮城支局】関東と地元・南三陸町のメンバーが協力し運営する一般社団法人「さとうみファーム」(代表理事・金籐克也さん=49歳)は、52アールの牧場でヒツジ30頭(子ヒツジ8頭含む)を飼育する。震災で失われた地域の遊び場の提供を目指して始まった活動は、羊肉のブランド化や体験学習など、事業に広がりを見せている。
 飼育管理や牧場の整備などを担当する髙橋真策さん(26)は「イレギュラーが多く手探り。毎日が勉強」と話す。経済的な自立を目指した組みの一つが、南三陸産のワカメを与えて育てたブランド羊肉「南三ラム」の開発だ。
 金籐さんは、ワカメの芯部が硬くて人間の食用に適さず、大量に処分されていることを知った。海のミネラルを含んだ牧草・ソルトブッシュで飼育した羊肉が高値で取引されていることから、ワカメの利用を思い付いたという。昨年は約2トンのワカメTMRを生産し今年は生産量を倍増させる計画だ。
 「当面の目標は100頭規模への増頭」と金籐さん。「レストランや海でのカヤックツアーなどを組み合わせながら、観光牧場の基盤を築いていきたい」と意欲を見せる。


〈写真上:ヒツジにワカメTMRを給与する髙橋さん。1頭につき1日3キロ与える〉
〈写真下:地元の漁師と収穫したワカメの茎〉