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イチゴで育てた「とちおとめ牛」―― 地元特産で付加価値【栃木支局・2015年4月1週号】

150401_11+12.jpg 【栃木支局】上三川町多功の前原邦宏さん(32)は、肥育する黒毛和種の雌に、地元産イチゴを乾燥させて作ったイチゴのパウダーを出荷月齢6カ月前から与えている。「とちおとめ牛」として販売され、前原さんは「地産地消を目標に、ブランド認知度を上げていきたい」と意気込む。
 現在、父の義弘さん(61)と黒毛和種を一貫経営する。飼育頭数は130頭だ。とちおとめ牛飼育のきっかけは、地元の特産品を使って付加価値を付けたブランド牛を育てられないかと思ったこと。
 イチゴは地元農家に規格外を譲ってもらっている。スライスし、電気乾燥機で約40時間乾燥させ、パウダー状にして冷蔵庫で保管。イチゴのパウダーの1日の給餌量は50グラム。試行錯誤して決めた量だという。
 とちおとめ牛は、2013年9月に商標登録(登録第5613299号)。肉質は㈱食環境衛生研究所の調査で、アミノ酸などの栄養分析結果はオレイン酸54.0〜56.0%、グルタミン100グラム中21〜71ミリグラムと、同時に検査した他県の有名ブランド牛の数値と比較しても遜色ない結果となっている。
 前原さんは「おいしい牛肉を気軽に食べてもらえるように、定時・定量出荷を目指して頑張りたい」と話す。


〈写真上:電気乾燥機で乾燥させたイチゴを取り出す前原さん〉
〈写真下:右から収穫したイチゴ、乾燥させたイチゴ、パウダー状にしたイチゴ〉