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学校給食用米は全量地場産エコ認証 ―― 子どもたちの笑顔のために【愛媛支局・2015年4月1週号】

150401_10.jpg 【愛媛支局】食の安全、地産地消への関心が高まる中、四国中央市は、学校給食に地産地消をいち早く取り入れてきた。今では市内の学校給食で使う米は全て地場産を使用。さらに愛媛県では初めて、全量エコ認証米で賄っている。その米は「うまそだち」というブランドとして確立されている。
 四国中央市の地産地消の取り組みは、2003年に旧土居町から始まった。土居町藤原地区の農作業受託グループ「八坂」の4人が、町の申し出を受け、農業委員会とJAの協力を得て学校給食用米の作付けに取り組み、その米が約2千人分の米飯給食に使用された。
 八坂の会長・安部忠男さん(77)は「地元のお米を食べさせたいという思いが伝わって引き受けたのよ。エコえひめ認証を受けた化学合成農薬5割減、化学肥料5割減の特別栽培米で、最初『コシヒカリ』を4.38ヘクタール作付けし、収量は約16トンでした。田植えや稲刈りの農業体験学習の場を提供したり、学校給食交流会で、農業をする喜びや苦労話をすることで、身近に感じてくれて、『お米のおじちゃん』と言ってくれるし、残食量が減ったのがうれしいね」と話す。
 JAうま米麦部会長・藤田忠和さん(73)は「私たち生産者側も食育に携わるようになって、子どもたちの笑顔にふれ、あらためて農業にやりがいを覚え、作る喜びを感じている。子どもたちと直接つながる地産地消を大切にしたい」と、地域全体で食農を進めていきたい考えを話す。


〈写真:子どもたちの学校給食に使われている米「うまそだち」や野菜とともに、安部さん(左)と藤田さん〉