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幻のイチゴ「明宝」を30年以上【兵庫支局・2015年3月2週号】

150311_09.jpg 【兵庫支局】「イチゴ『明宝』には強い思い入れがあります」と話す、たつの市揖保町の小河博(おがわひろし)さん(74)は、妻の治代(はるよ)さんとイチゴや野菜などを栽培している。
 小河さん夫妻は30年以上、明宝を栽培。明宝は「幻のイチゴ」といわれる品種で、栽培農家が少なく、今では育成元の県立農林水産技術総合センター研究所にも種苗がないという。
 実は甘く柔らかいが、傷みやすく日持ちが悪い。市場に出回ることはほとんどなく、摘んだその日に直売するのが主流となっている。
 「苗の作り方が難しく、今でも苦労します」と小河さん夫妻。10月に220平方メートルのハウス1棟に1500本の苗を植え付ける。収穫しやすいように高畝にする他、水が確実に行き渡るよう畝に配管を施設。12月にはハウスの被覆ビニールを二重張りにし、夜間は太いロウソクを4、5本灯(とも)すなど、凍結防止のためにいろいろと工夫し、1月中旬から5月中旬まで収穫する。
 「イチゴは二人三脚で栽培するのに最適。夫婦円満の秘訣(ひけつ)です」と治代さんは話す。


〈写真:「明宝」の手入れをする治代さん〉