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かんきつ 葉やつぼみでハーブティー、アロマオイル ―― 島が潤う仕組みに【広島支局・2015年3月2週号】

150311_06.jpg 【広島支局】「島にある資源を有効活用し、島を元気にする仕組みをつくりたい」。かんきつ栽培が盛んな大崎上島(大崎上島町)と大崎下島(呉市豊町)では、地域おこしグループ「瀬戸内ネロリウム協議会」が中心になり、かんきつの葉やつぼみで作ったハーブティーやアロマオイルなどを販売し、島の活性化に力を入れている。
 リラックス効果があるといわれる、かんきつ類の花の精油「ネロリ」。2012年4月、ネロリで島を活性化することを目的に、大崎上島・下島地区や県内の企業、農家が団結し、瀬戸内ネロリウム協議会(角南正之会長=59歳、役員4人、会員7人)を設立した。
 同協議会では、レモンの葉、「甘夏」のつぼみにほうじ茶や紅茶などを組み合わせ、3種類のオリジナルハーブティーを商品化。中でも、同地区のレモンの葉と「清見」のドライフルーツを混合させた「陽海(ひなみ)」は、香りが良く後味がすっきりしていて好評だという。
 葉やつぼみの収穫は5月の2週間ほど。地域の人に委託しながら収穫するものの、人手が少なく収穫量が限られるため、生産拡大は今後の課題だ。角南会長は「ボランティアを募ったり、高齢者に気軽に参加してもらえたりする収穫イベントを模索中です」と話す。
 一昨年からは、ネロリの癒やし効果を目玉にネロリ体験ツアーを催し、葉やつぼみの収穫体験などを実施。参加したアロマセラピストらの口コミが広まり、昨年は66人が香りなどを楽しんだ。「多くの人にネロリを知ってもらい体験してもらうことで、島が潤い発展していければ」と話す。
 地元企業の山陽商船株式会社で経営企画室長も務める角南会長は、「島の農家ともっと連携をとって、島の活性化につなげられる協議会にしていきたい」と意欲的に話す。


〈写真上:つぼみを提供している甘夏の園地を紹介する中原さん〉