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仲間と共に「入間ごぼう」―― 産地復活に力【埼玉支局・2015年3月1週号】

150304_10+11.jpg 【埼玉支局】狭山市を含む入間郡で約40年前、盛んに栽培されていた「入間ごぼう」。産地を復活させようと、同市加佐志の奥富康雄さん(42)が150アールで入間ごぼうを栽培し、普及に取り組んでいる。
 そこで、かつてゴボウの産地だった狭山市で、産地の復活を目指し、「さやま里芋増産倶楽部(くらぶ)(会員7人)」の有志4人が「ごぼうプロジェクト」を立ち上げた。奥富さんがリーダーを務め、2013年から入間ごぼうの生産に取り組んでいる。
 奥富さんは収量は落ちるが「柔らかさ」を売りにするため、約100日栽培した若いゴボウを収穫する。「ゴボウが好きなのに食べられない」という高齢者に好評だ。また、香りが強く、収穫時期はゴボウが一般的には出回らない時季に当たり、需要が高いという。
 奥富さんは「産地としての生産振興と市場への認知度を高め、幅広い世代に受け入れられるように」と、規格外(20グラム以下)の加工にも取り組む。食品加工業者と連携し、ハーブを使用した「ごぼうのぴくるす」と原材料全て埼玉県産で作る「ごぼうのもろみ漬け」を考案し、近所の酒屋などで販売している。 
 奥富さんは今後について、「入間ごぼうはおいしい。高品質というイメージを持ってもらい、栽培技術と収量を上げて、お客さんの期待に応えられるよう生産したい」と話している。


〈写真上:ゴボウ収穫機と奥富さん〉
〈写真下:袋に詰めたゴボウ(奥)と加工品〉