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有志で守るミカン畑 ―― 耕作放棄地 作らない【神奈川支局・2015年2月4週号】

150225_09+10.jpg 【神奈川支局】小田原市曽我地区の耕作放棄されそうになった園地で栽培したミカンのジュース「おひるねみかん」が今年の2月1日に発売され、順調に販売数を伸ばしている。これは同市に住む小山田大和さん(35)と川久保和美さん(60)が中心となって計画した「〜かなごて未来プロジェクト〜あおぞらみかんばたけ」の一環。
 「小田原のミカン文化を守りたい」と、昨年4月に同プロジェクトを発足した。川久保さんと出資者も含めた有志約40人が中心となり、高齢農家には傾斜がきつい曽我地区のミカン畑16アールを借り受けて活動している。月に一度、参加者を募り、園地整備や施肥、剪定(せんてい)、摘果、収穫と作業を進めてきた。
 今年の12月にミカン4トンを収穫し、出資者に分配。そのうち1.2トンをジュースの原料に回し、湯河原市の加工業者に製造を委託した。丁寧に皮をむいて作られたジュースは4千本が通信販売され、既に半数以上を売り上げた。
 農家の高齢化が進む状態で、既存の農家だけでは農地の維持が難しくなると考えている二人は、小規模地域でもできるプロジェクトで地域振興を図りたいと考えている。「小田原の曽我でもできる耕作放棄問題解決と6次産業のモデルになりたい」と二人は話す。


〈写真上:「景観がいい反面、移動と作業が大変で放棄されやすい」と小山田さん〉
〈写真下:販売しているジュース〉