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防風林「清酒の輸出に拡大の余地あり【2015年2月3週号】」

 ▼2014年の農林水産物・食品の輸出額は、前年比で11.1%増え、初めて6千億円台に到達した。農林水産省は、為替の円安に加え、和食ブームで日本産食品の実需が高まったと分析する。
 ▼緑茶、みそ、しょうゆなどの輸出額が伸びており、特に清酒は9.3%増の115億円と好調だ。米国がトップで香港、韓国と続く。米の輸出では、他国産米と比べ2〜5倍の価格差が課題とされる。しかし、清酒は現地産比で5〜10倍の価格差も許容範囲だという。
 ▼酒造会社の清酒出荷量は長期にわたり減少し、この15年ほどで半減した。清酒を敬遠する若者も多いそうだ。ただ、最近は吟醸酒や純米酒などの需要が高まり、10年度以降は横ばいで推移する。
 ▼政府が水田活用の柱に据える飼料用米は、財務省の審議会に財政負担の問題を指摘された。清酒なら、愛飲者を増やすほど財政負担なく拡大できる利点がある。何しろ、フランスのワイン輸出額は7700億円、英国のスコッチは5千億円だ。清酒が食い込む余地は十分にある。
 ▼海外に清酒のおいしさが浸透すれば、持続的な水田活用を支える力にもなるだろう。