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夏ダイコン ―― 端境期に有利販売【山形支局・2015年2月3週号】

150218_06.jpg 【山形支局】食味の良さから「六沢(ろくさわ)だいこん」としてブランドを定着させている西塚則夫さん(62)。尾花沢市六沢地区を中心に20ヘクタールの畑で、15人の従業員とダイコン作りに励む。
 ダイコンは冷涼な気候を好み、一般的に春や秋に栽培されることが多いが、やませが吹き込み、尾花沢の市街地よりもさらに平均気温が低いという、六沢の気候を生かした夏の栽培を取り入れることで、長期間の出荷を実現。市場で品薄となる9月は高値での取引が見込めるため、夏ダイコンは経営的にも大きな強みとなっている。
 「高品質のダイコン作りに欠かせないのが『土作り』」と話す西塚さん。播種の前にエンバクをすき込み、元肥として完熟堆肥や鶏ふんなどの有機肥料を施用。他にも独自の有機質資材を投入し、軟らかい土が出来上がる。その結果、根張りが良くなり食味も向上するという。
 過去には、虫害や価格の低迷などで、経営的に苦しい時期もあった。それでも「おいしかったと言われればまた作りたくなる。百姓の性(さが)というものでしょうか」と西塚さんは笑う。


〈写真:ダイコンを収穫する西塚さん〉