ヘッドライン一覧 購読申込&お問い合わせ 農業共済新聞とは? 情報提供&ご意見・ご感想 コラム防風林

防風林「許されない暴力画像の拡散【2015年2月2週号】」

 ▼過激組織「イスラム国」による2邦人の人質事件は、最悪の結果となった。親族や友人の胸中を思うといたたまれない。一方的な破壊や暴力は決して許されず、政府にはテロ撲滅に力を尽くしてもらいたい。ただ、挑発に乗って報復の連鎖に陥らないよう慎重な対応が望まれる。
 ▼また、今回の人質事件では、インターネットが持つ危険性をあらためて感じた。イスラム国は、明らかに武器として利用し、残虐な映像を発信して無理難題の要求を突き付け、多くの人に恐怖を与えている。さらに問題に思うのは、悪意のある映像や画像の拡散だ。
 ▼わが家の子どもが利用する交流サイトにイスラム国が発信した画像があったという。コピーを配信した当人は、興味本位で行為の是非など考えてもいないだろう。だが、標的にされた犠牲者と家族の気持ちを思えば安易にやっていいことではない。直接手を下さなくても人を傷つける暴力だ。
 ▼パソコンとスマートフォンの普及に伴い、インターネットは生活に欠かせないものになっている。特に情報の検索には重宝だ。一方で、一度配信された情報は、削除してもコピーが作られ、消えることがない。未成年者の犯罪が起きたときなども、画像や個人情報が流れ、拡散している。
 ▼社会的には個人情報の扱いを厳格にする流れにあるが、インターネットの世界は全く逆方向で、後戻りもできないようだ。