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乳牛に和牛受精卵を移植 ―― 高付加価値の子牛生産へ【千葉支局・2015年2月2週号】

 【千葉支局】旭市の浪川隆弘さん(40)は、和牛の受精卵移植での子牛生産に力を入れ、昨年、子牛35頭を出荷した。現在、搾乳牛58頭と繁殖和牛19頭を飼養し、受胎している搾乳牛の約半数が和牛子牛を出産予定だ。
 和牛の受精卵移植を始めた目的は、子牛の付加価値を高めるため。千葉県の乳牛育成牧場に預託した牛に和牛の受精卵移植をしたのがきっかけだ。以前は子牛を肥育し出荷していたが、子牛市場の価格高騰に伴い、ここ数年は子牛出荷を主体としている。
 受精卵は、ちばNOSAI連(千葉県農業共済組合連合会)北部家畜診療所の協力で、自家所有の繁殖和牛から採卵したものと、他の和牛農家から購入したものを使用。凍結卵より新鮮卵の受胎率が高いため、採卵日に合わせ多くの移植予定牛の発情同期化を行う。
 繁殖管理を担当する父の操さん(63)は「搾乳牛の7割を目標に胚移植の受胎頭数を増やしていきたい」と抱負を話す。今後、乳用種の後継牛確保のために、ホルスタイン種雌雄判別精液を用いた乳用牛の採卵も検討している。