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ブルーベリー観光農園、冷凍果実・加工品を通年販売【福島支局・2015年2月2週号】

150211_08+09.jpg 【福島支局】須賀川市狸森で多種のブルーベリーを栽培する塩田ヨシノさん(64)は、摘み取り農園や冷凍果実販売、濃縮液ドリンクの加工に取り組み、ほぼ一年を通じてブルーベリー関連の販売を行う。「私の育てたブルーベリーを通じて、皆さんに健康を届けたい」と塩田さんは話している。
 塩田さんは、1ヘクタールの園地で50種類以上を植え付ける。ブルーベリーには自家不結実性(自分自身の花粉では結実しにくい)を持つものがあり、そうでないものも他家受粉させた方が果実が大きくなるといわれている。「独特の性質があって品種選びが難しい」という。
 経営する「芳乃ガーデン」では6月下旬から9月下旬までブルーベリー狩りを楽しんでもらおうと、ハイブッシュ系とラビットアイ系の早生、中生、晩生種を栽培。また冷凍した果実を10月から翌年6月に販売する。
 飲みやすさと長期保存を考えて濃縮液のドリンクを商品化。アントシアニンの含有量が多い品種を選び、1瓶50ミリリットルに果実100グラムを使用する。合成保存料は使用せず、常温で18カ月保存でき、20度という糖度と味で販売も伸びているという。
 東日本大震災に伴い発生した福島第1原子力発電所の事故による風評被害の影響で来客が途絶えた時期もあったが、商品の安全性を説明して、客足は戻りつつある。「農家と消費者が支え合って、生きる喜びを感じられるコミュニティーをつくりたいですね」と話す。


〈写真上:ブルーベリーの生育を見る塩田さん〉
〈写真下:「飲みきれる容量にした」というドリンクは3本1000円で販売中〉