「台風や病害への補償がほしいと、キウイフルーツ共済の実施をずっと心待ちにしてきた」と香川県善通寺市吉原町で株式会社「キウイベリージャパン」を経営する島田満沖代表(65)は強調する。キウイフルーツを生産する県内4農業生産法人などが出資し、12ヘクタールで県オリジナル品種の生産・加工・販売を行う。NOSAI香川(香川県農業共済組合、上砂正義組合長)は、2016年産のキウイフルーツとブドウ、モモから「災害収入共済方式」の導入を予定し、農家や生産部会へ足を運んで補償内容の説明に力を入れている。収量減少だけでなく品質低下も補償し、規模拡大が進む産地の農家経営を支える。
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島田さんは、高品質な果実生産を武器にキウイフルーツを自ら販売する。東京の高級果物店で1個3500円ほどで販売される「香緑(こうりょく)」が代表的なブランドだ。現在20〜30代の研修生3人を受け入れ、キウイフルーツ生産を指導する。
「台風などの大きな被害を10年に一度は味わってきた。共済に加入できれば鬼に金棒だ。若い連中には早く所帯を持てと言っている」と笑顔を見せる。キウイフルーツ共済の実施は生産者の間でも話題になり、加入に興味を示す農家は多いという。
掛金の半分を国庫が負担
多度津町奥白方で「シャインマスカット」や「ピオーネ」などブドウ70アールを生産する渡邉力夫さん(68)は「個人の実績が反映されやすい仕組みで、高い品質のブドウ作りを目指す農家としてはメリットを感じる。暴風雨や干ばつへの備えは必要だ。掛金の国庫負担があるのも魅力で、加入を検討したい」と話す。
(7面・NOSAI)
〈写真上:キウイフルーツの誘引作業を行う島田さん〉
〈写真下:小山課長(右)から災害収入共済方式の説明を受ける渡邉さん〉