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双子の兄弟 力を合わせて ―― 地域支える酪農家に【栃木支局・2015年2月1週号】

150204_08.jpg 【栃木支局】那須烏山市鴻野山で酪農を行う髙瀬慎司さん(27)と康司さん(27)は、力を合わせ、家族で経営する髙瀬牧場を支えている。二人は双子の兄弟で、慎司さんが兄、康司さんが弟だ。二人は、就農直後に起きた東日本大震災を乗り越え、牛とのふれあいを大切にする青年部活動にも力を入れながら、地域で活躍できる一人前の酪農家を目指し、毎日元気に牛と向き合っている。
 現在、両親と4人で酪農を営む。高台の約1ヘクタールに牛舎や堆肥舎などがあり、ホルスタインの成牛85頭、育成牛54頭を飼育する。牛舎はフリーストールで、日当たりが良く、とても明るい。また、13ヘクタールでデントコーンを自家栽培し、収穫後は、最低1カ月は発酵させて使用している。
 全量を酪農とちぎに出荷し、1日2700キロ搾乳する。慎司さんは、「牛が寝るベッドをこまめに清掃し、転んだりしないようにしています。一頭一頭を毎日欠かさず観察し、異変にすぐ対応できるようにしています」と話す。
 二人は就農後、特に印象に残る出来事に、東日本大震災を挙げる。パーラーや管理舎が大きく破損し、大規模な修繕をした。また、停電のため地下水をくみ上げるポンプが停止し、川まで水をくみに行った。さらに放射能問題から、13年産のデントコーンに放射能検査を行い安全を確認。牛を飼育することだけを考えていたところに経験したことのない自然災害が起こり、経験のない被害が発生した。震災の混乱が落ち着くまで1年ほどかかったという。
 昨年は酪農とちぎ青年部で市内の小学校に牛を連れていき、搾乳体験を行った。子どもたちの喜ぶ姿を見て、酪農の楽しさを子どもたちに伝えたいという思いが強くなり、今後も積極的に活動を続けていきたいという。


〈写真:「これからも力を合わせて頑張りたい」と慎司さん(左)と康司さん〉