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防風林「狩猟者の安全確保対策を万全に【2015年1月4週号】」

 ▼野生鳥獣による農作物などへの被害対策で、狩猟者による駆除や捕獲に期待が寄せられている。ただ、野生動物と相対したり猟銃を扱う仕事であり、重大な事故の危険にも直面する。
 ▼環境省は、実際の事故を再現したDVD『運命を分ける瞬間(タイム・ゼロ)』を作成した。関係機関に配布するほか、インターネットでも公開する。不十分な安全確認での死亡事故と転倒による猟銃の暴発、居住地域近辺のわなによる子どものけがを取り上げた。
 ▼DVDでは、それぞれの事故につながった行動や誤った判断のポイントを解説する。事故の多くは基本的なルールを守っていれば防げるとし、安全意識の喚起と事故防止の取り組み徹底を呼びかけている。
 ▼鳥獣被害対策の予算は年々拡充され、県や市町村による捕獲活動の支援体制も整備されてきた。一方、全国の狩猟免許所持者は20万人弱で、40年ほど前の4割まで減った。高齢化も進み、60歳以上が7割近い。
 ▼野生鳥獣の肉を食べるジビエが話題の昨今は、若い狩猟者も増えつつある。狩猟者の確保と活動の後押しには、安全確保対策の充実が欠かせない。