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伝統の野菜保存法「つんぼり」―― 先人の知恵 後世へ【福井支局・2015年1月4週号】

150128_13.jpg 【福井支局】福井県内有数の豪雪地帯の池田町ではかつて、保存食文化の一つとして「つんぼり」作りが行われてきた。同町農業公社では伝承していこうと昨年度から制作している。
 つんぼりとは、いわゆる「雪中野菜」の保存法の一つだが、由来・歴史ともに不明で、民間伝承されてきたものだ。
 作り方は、収穫直後の土が付いたままのダイコンを敷きわらの上に積み上げ、かまくら状にわらで覆い、翌日の積雪をもって完成するというもの。独特なスタイルで雪中に野菜を埋めるといった一般的な方法とは異なる。
 この天然の保冷庫の中でダイコンは、でんぷんの分解を促し、細胞液中のブドウ糖濃度を高くして凍結に耐える。新鮮さを保つだけでなく、甘味も増していくという。
 同公社の佐飛充浩さんは、「担い手が減少していますが、後世へ継承したい」と話す。


〈写真:ダイコンなどの野菜を保存する「つんぼり」〉