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消費者ニーズの動向を分析 ―― 売れる物作りを【香川支局・2015年1月3週号】

150121_03.jpg 【香川支局】「農業を変えるには、農家が変わらなければなりません。6次産業化だけが手段ではないと思います。一番大事なのは消費者に需要がある物を生産すること」と考える髙橋農園(ニンニク、ミニトマトなど約1ヘクタール栽培)代表の髙橋光男さん(丸亀市飯山町、43歳)。県内外の勉強会や展示会に参加し、加工会社や消費者の動向を分析することで、「売れる物を作る」ことに生かしている。人とのネットワークを広げ販路開拓し、新しい農家の在り方を模索する。

 4年前にニンニク農家として就農した髙橋さん。「むいた状態のニンニクを求めている企業と対面し、それに応えるために機材の購入を決めました」と、自宅の倉庫にニンニクの皮をむく機械や酸性水で洗浄する機械などを設置した。生ニンニクや、むいた状態のものだけでなく、調味料などの加工品も販売している。
 「健康面で需要の高いニンニクは、一次加工することで販売価格向上につながっています。生ニンニクの方が出荷の手間がかからず楽ですが、一手間をかけることが今後の農家には必要不可欠だと考えています」
 量販店では総菜やカット野菜など、調理が必要なく、すぐに食べられる物が売り上げを伸ばしていることもあり、加工品の販売にも注力。県内のイベントでニンニク焼きそばを販売し、規格外品などを無駄無く利用して利益を上げている。
 香川県産業支援財団が行う「農商工連携ファンド事業」を活用し、調味料などを開発して販路を開拓。生産量全国2位の県産裸麦を用いた「にんにくみそ」は付加価値があり好評だ。「加工に適した作物を栽培することは経営に効果的です。旬の時期をずらして販売できることは大きなメリットになります」と髙橋さんは話している。

〈写真:多忙でも、作業に手は抜かない髙橋さん。「良い作物を作ることが基本です」〉