「住みよい地域をつくるために農業はどうすべきかを考えた」と農事組合法人「ファーム・おだ」の吉弘昌昭組合長(76)は力を込める。高齢化が進む広島県東広島市河内町小田地区の農地103ヘクタールを集約し、水稲や野菜などを作付ける。同地区の自治組織「共和の郷〈さと〉・おだ」の話し合いを基に高齢農家の農地の受け皿として設立した。営農と米粉パン工房で49人が働く雇用の場でもある。担当を明確にする部会制と合意形成を基本とする共和の郷・おだの自治活動が住民の結束力を引き出して地域を活気づかせ、移り住む若者も増える好循環が生まれている。
(3面・新年号特集)
〈写真:ベビーリーフなどを栽培するハウスで吉弘組合長(左)と話す瀬川会長。「単独では力不足でも、1階と2階が手を結んで地域を盛り上げます」〉