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能力は市販品並み――自作のカルパーコーティング機 (98年9月4週号・福島版)

 水稲直播栽培のカルパコーティング機を自作したのが、須賀川市「稲田湛水直播研究会」の斉藤茂樹さん。
 直播栽培を始めたのは5年前。当初機械の購入を考えたが、価格が50万円近くと高額で、借りるにも岩瀬管内にはコーティング機が少なく、順番待ちをしなければならなかった。そこで何とか佐藤光二さんと共に自分たちで作れないかと友人の廃品などを利用して製作した。費用は5万円程度と格安だった。 回転皿は鉄板を溶接して作り、角度を調節する部分には車のジャッキがうまく利用されている。また、モーターは性能の良い中古品を安く探してきて使っている。溶接部のつなぎ目やモーターのカバーなど細部にいたるまで完成度が高く、市販品に引けを取らない出来上がりになっている。仕事の合間を見て製作して約2週間ほどで完成した。
 斎藤さんは「苦労した点は、上部のコーティング皿がぶれずに回転するように中心点を見つけることと、適度な回転速度を設定するため、何度も市販品を見て研究したことの2点ですね。おかげで今年の春先はこの機械が大活躍でした。完成して最初に動かしたときは喜びもひとしおでしたよ」と話す。
 また、コーティング機はJAすかがわ岩瀬稲田支店で管理し、希望者があれば、安く製作してくれる。