千葉市緑区下大和田の酪農家・石井貞良さんは、サイロ詰めの際、鎮圧機器に代わりバキュームカーを使い、サイレージの品質向上と作業の省力化という一石二鳥の効果を上げている。
石井さんの方法は、まずサイロの寸法に合わせた厚さ0.1ミリのビニール製の筒を業者に依頼し製作した。そのビニールの筒をサイロ内に入れ、収穫したトウモロコシを詰めるが、筒の底は結ばずにおく。詰め終わったらバキュームカーで吸引作業を行う。吸引の時の注意点として、①トウモロコシを吸い込まないように、吸引ホースの先端にナイロン製のネットをかぶせる。②ホースとビニールの密着を防止するためホースの先端を稲の育苗箱で覆いビニールをひもで縛り空気を吸引する。
50立方メートルのサイロの場合で約2時間ほど吸引し、吸引が終わったらホースを抜いてビニールの口を縛って終了。
「実は電気掃除機を使った布団収納用の袋と同じ原理なんですよ。バキュームカーを使うようになってから、第四胃変位とケトーシスの発生が減ったし、作業時間が短縮して体も楽になりました」と石井さんは満足そう。