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「Pの字型ホース通し」でミカン防除を省力化(98年 8月1週号・長崎版)

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 ミカンの薬剤散布は重労働。しかも、条件が段々畑、1人でするとなれば大変な作業。だが、西彼杵郡長与町丸田の村川利助さんは、そんなミカンの防除に、「Pの字型ホース通し」を考案した。
 村川さんのミカン園は約120アール。しかも、そのほとんどが段々畑。最も大変な薬剤散布は、ごく一般的な動力噴霧器で行っているが、この方法で一番問題なのは、引っ張って回るゴムホースが物に引っかかりやすく、防除がしにくいこと。
 そこで考案したのが「P字型のホース通し」。10ミリの鉄筋をPの字に曲げ、ホースを通す所に壊れたユニエーターのゴム管を取り付けたもの。これを段々畑の要所要所に立てた高さ1.5メートルほどの鉄パイプに差し込んで完成。
 防除をする時は、このホース通しのPの字の中にホースを通し手作業を行い、終わったらまたPの中を通してホースを引っ張る。こうすることで、ホースの最後の輪になる部分が高く持ち上がって、ひっかりやすい岩や木、草に接することがなく、ホースがスムーズに引っ張れる仕組みだ。
 「段々畑の2段おきぐらいに取り付けています。ホースがひっかからず、1人でも防除ができます。ホースをPの字に通すのが面倒に思えるかもしれませんが、ひっかかった時の思いをすれば、とても楽ですヨ」と村川さんは話す。  <写真:ミカン園に立てられた「P字型ホース通し」>