子牛の下痢や予防注射などの時、和牛飼育者や獣医師にとって子牛を捕まえることが結構手間がかかることの一つである。
そんな中、のうさい木曽の大宮健一獣医師はちょっとした工夫で捕獲用の道具を作り、子牛を捕まえるのに利用している。道具は、一本の棒の先にゴムホースを取り付け、その端にロープを止めるクリップを取り付けたもので、製作費用はほとんどかかっていない。
このロープを子牛にさとられないよう首や角にそっと掛け、棒を引っ張るとロープがクリップから外れ、ロープだけが残り子牛が捕まるというもの。
農家では、生後まもなくてまだ面綱をしていない子牛を捕まえるには、えさをやるときに捕まえたりしている。だが、結構力が強くて押さえるのに苦労したり、足を踏まれたり蹴られたりする事も時にはあった。また、子牛がいると親牛が荒くなるが、遠隔操作で捕まえられるので、農家にとってけがの心配がなくなった。
大宮獣医師は、「農家ごとにいろいろ工夫して捕まえていると思うが、この方法もなかなかいいですよ。試してみては」と勧めている。
<写真:簡単に製作できる捕獲器具>