約100キロもある牛の保定枠。これを楽々移動できるように工夫したのは、花泉町日形の小野寺正之さん。牛の削蹄師をはじめて20年のキャリアをもつ小野寺さんだが、1人で約100キロもする鉄製の保定枠の移動は大変な労働。削蹄師の仲間で作業中に腰を痛めた人も少なくないという。
写真の保定枠は設計図の作成からはじめ、改良、工夫を繰り返し3台目のもの。今回は、トラックの荷台と地面までレールを敷き、手動ウインチ、ワイヤーを使い、枠には取り外しの容易な車輪を備えた。多いときで1日に10回も移動することがあるが「これなら、女性の方でも積み降ろし可能です」と小野寺さんは話す。
費用は、特注の保定枠が8万円、中古のウインチが2万円、ワイヤーとレールなどで1万円、合計で11万円とのこと。牛の削蹄は、腰にかなりの負担がかかる仕事なので、工夫を凝らして、少しでも省力し、長く続けたいと話している。
<写真=トラックに載せたり降ろしたりの作業が楽になった>