アイデア発案から木製での試作を経て、現在の鉄製に仕上げるのに約2年3カ月を費やして「農業用コンテナ積み上げ機」を開発したのは、和歌山県日高郡由良町の山口久雄さん(水稲30アール、ミカンなどかんきつ類60アール)。
高さ約30センチの農業用コンテナは4段積むと約120センチとなり、5段目に約20キロの重さのコンテナを積み上げるのは、背の低い人や女性、高齢者には重労働だったことから"だれでも楽な方法を"と試行錯誤を重ね、これを完成させた。この積み上げ機はテコの原理を応用して、台をあらかじめ4段目と同じ高さに設定し、ステップを踏むだけで5段目まで持ち上がる仕組みとなっており、キャスター付きで移動も便利。今春から特許出願中だ。
山口さんは「常に好奇心を持ち、仕事中でもアイデアが浮かんだら、すぐにそれを書きとめておくことが大事なんです」と話すとおり、自家用軽トラックの中にはコンパスや定規、図面などが常時積み込まれている。