浪江町沢海戸の佐藤俊一さんは、移動が楽でその場 で使用できる動力まき割り機を考案した。佐藤さん方は、水稲2.8ヘクタールのほかに山林3ヘクタールを営む農家。市販のまき割り機は高額の上に単体のため運搬に難点があった。それを移動が楽で、その場で使用できる一体化の動力まき割り機を完成させた。乗ったまま移動できるようにと2条刈りコンバインの台車を利用。材料を押し出す役目をする油圧ポンプとエンジンを直結し、まきを割る刃を設置した。
当初はトラクターの油圧ポンプを使用していたが、起動力が劣るのでクレーンの油圧ポンプに変え、さらに強度を上げるためグレーダーの刃先を使用し角度を研究しながら能率アップを図ってきた。「能率を上げることは可能ですが、油圧ポンプの能力には限界があり危険を伴います。特に、大木は一度に押し出せないので、調整が最も大切です」とのこと。それでも最大荷重は、約八トンまで耐えられるという。燃料は一日フル稼働しても約2リットルのガソリンのみと低燃費が好評で、近所にも貸し出しもしているが、町外からも申し込みも多いという。