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防風林「東京五輪、前回大会との差は"がむしゃらさ"【2018年10月3週号】」

 ▼アジア諸国に先駆け、日本で初めて開かれた東京オリンピック・パラリンピックは、54年前の1964年。先進国への仲間入りを目指し「もはや戦後ではない」(56年度経済白書)の言葉を胸に、政府も国民も企業もこぞってまっしぐらの時代だった
 ▼東京・大阪間に新幹線が開通して、「ひかり」号は子供たちの憧れだった。"栄光の祭典"の舞台、国立競技場は五輪終了後もサッカーなど国際試合会場として永く有効利用された。今、2020年の東京大会に向け新国立競技場などの建設が急ピッチに進んでいる
 ▼先日、仙台に向かう東北新幹線の車中のフリー誌を開いたら、公共施設などで見かける「ピクトグラム」の記事が目に留まった。トイレや食堂などを示すイラスト標識。64年大会で日本では初めての考案だった。日本語という独特な言語を使う小国で開かれる大会に、世界から多くの役員・選手団、観客が訪れるのだから分かりやすくとの発想。"おもてなし"の現れだった
 ▼開会が迫ったある日、組織委員会は急きょ新進気鋭の若手デザイナー数名を招集、間際まで制作に奮闘し完成させた。数々の標識は世界から称賛されたのだった。今でいう日本発「ユニバーサルデザイン」の先駆者だったと評価されている。
 ▼あと2年に迫った東京大会には、提供する食材に安全・安心の指標、グローバルGAP(農業生産工程管理)への取り組みが求められている。それもいい。だが、前回大会当時と比べ、「がむしゃらさ」が日本人の心から薄れてしまっている気がする。

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