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防風林「登録農薬の再評価はいいことだが慎重にすべき【2017年8月2週号】」

 ▼農林水産省は現場で使用される登録農薬の「再評価」導入など、農薬取締行政の改革方針について検討に入った。
 ▼登録時点に課せられた試験で得られなかった人体や動物への安全性や環境影響評価など、2021年から定期的に有効成分(現在580)ごとに、最新の科学的知見や暴露量も視野に入れ再評価する。使用頻度の多いものや毒性懸念があるものを優先、4段階に分類して順次行う。
 ▼また、農薬登録時の原体規格に合致すれば製造方法の変更も認める方針で、製造コスト低減により農薬価格の低下に結び付く可能性があるほか、ジェネリック農薬開発への機運が高まるのではとの見方もあり、再評価を含め農家側に異論はないはず。
 ▼ただ、再評価試験の企業費用負担が値上げや再登録取り下げに走るのではとの懸念も。特に希少作物用農薬の生産量は少量で、採算性から製造中止となれば営農への打撃は大きい。ポジティブリスト制度の暫定基準値を本基準値へ移行中だが、再評価により本基準値が変更になる可能性を農水省の担当官も認める。農家への告知は慎重を期して現場での混乱は避けてほしい。
 ▼農作物の品質・収量確保には、防除手段の中でも化学的手法抜きに語れない。過去の農取法改正では使用農家の罰則規定追加や特定農薬を認定しているものの、次亜塩素酸水を追加してもまだ4資材だけだ。IPM(総合的病害虫・雑草管理)の普及が遅々として進まない理由は、硬直化した農薬取締行政が一端かもしれない。


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