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防風林「農家調査をアリバイづくりにしてはならない【2025年6月4週号】 週号】」

 ▼農林水産省が、稲作農家に対する米の生産意向調査を実施中だ。全ての販売農家・農業法人などを対象に、同省ホームページ上の専用フォームで来年、5年後、10年後の生産についてそれぞれ増産か、現状維持か、縮小かなどを聞いている。
 ▼さらに増産の理由やその実現に向けた課題・要望、さらには生産コストの把握状況なども調査。実施期間は来月(7月)31日までで、開始に当たって小泉進次郎農相は、生産現場の実態把握の重要性を強調し、多くの生産者に調査への協力を呼びかけた。
 ▼結果は、2027年度からの水田政策の見直しを含む米政策のあり方の検討材料にするとの説明だ。昨夏からの"令和の米騒動"は、国民の最大の関心事となっている。ただ、消費者の要望を踏まえた早期値下げが政府目標となり、日本の稲作の危機への十分な理解につながっているとは言い難い。
 ▼備蓄米の大量放出を受け、米価下落の兆しが強まる中、石破政権には価格が落ち着いたその先に、稲作農家が安心して経営継続できる道筋を示せるかが、問われている。よもや今回の調査実施を参院選前のアリバイづくりにするつもりはないだろうが、再び米騒動が起きないためにもあえて言う。今度こそ農家の思いに応える米政策を実現してほしい。

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