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今週のヘッドライン: 2024年01月 1週号

里山から広がる連携 チームさすけネットりょうぜん(2面・新年号企画)【2024年1月1週号】

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 「志を持った人たちが集まり、一緒に汗をかく。その成果をしっかりと生活に結び付けていく」と話すのは、福島県伊達市霊山町大石地区で活動する農村RMO推進協議会「チームさすけネットりょうぜん」(以下、さすけネット)代表幹事の高野金助さん(73)。同協議会は、NPO法人、農業グループ、農業法人、地域コーディネーターなどが連携し、自立した持続可能な地域づくりに挑戦している。有機農業での農地保全や地域資源を活用した6次産業化をはじめ、高齢者のコミュニティーづくり、生活ケアの推進など多様な活動を展開する。

(2面・新年号企画)

〈写真:チームさすけネットりょうぜんの高野さん(左)と浜田さん〉

生きがいを生む直売所 (有)清川ふるさと物産館夢市場(3面・新年号企画)【2024年1月1週号】

2401_2.jpg 大分県豊後大野市清川町では、道の駅を拠点に高齢者の営農や暮らしを支える地域支援サービスが展開されている。道の駅きよかわで農産物直売所を運営する有限会社清川ふるさと物産館夢市場は、地域の巡回を兼ねた農産物の庭先集荷や、買い物が困難な高齢者向けに食料品など生活必需品を届ける移動販売車を運行する。高齢者が出荷を続けられる環境を整えるとともに、顔を出さなかった人の家に声かけも行う。出荷者の減少に歯止めがかからない現状を打破しようと、2024年から町特産のモモや野菜の栽培講習会を開き、担い手確保に努める考えだ。

(3面・新年号企画)

〈写真:集荷するカボスや野菜を前に談笑する渡抜さん(左)と萩原さん〉

みんなで描く未来図 えーひだカンパニー(株)(5面・新年号企画)【2024年1月1週号】

2401_3.jpg 島根県安来市比田地区の「えーひだカンパニー株式会社」は、生活環境、産業振興、魅力発信、定住促進を柱に、目指すべき地域像として88項目の「地域ビジョン」を掲げ、持続可能な農村の実現へ地域一丸で歩みを進めている。基幹産業の農業では、水稲育苗やドローン(小型無人機)防除、草刈り、堆肥散布などを受託して農家の負担を軽減。「比田米」のブランド化も進め、農地の維持に力を注いでいる。過疎、少子高齢化、担い手不足などの課題もある中で、地域の魅力を掘り起こし、直売所やカフェの運営、移動販売、交流などの事業で中山間地の暮らしを多面的に支え、活気を生み出している。

(5面・新年号企画)

〈写真:拠点となっている直売所「えーひだ市場」。カフェも併設する〉

高精度の位置情報提供 NOSAIが積極的に(8~9面・農業保険)【2024年1月1週号】

 農作業の省力化や軽労化に向け、ロボット技術などを営農に取り入れるスマート農業が普及しつつある。NOSAIでも、損害防止事業や農家支援サービスにITを活用。より精度の高い自動操舵〈そうだ〉システムを活用できる固定基地局の設置・運用や家畜の遠隔診療、果樹の植栽図をスマートフォンで確認できるサービスなどを展開している。先端技術を取り入れた各地の事例を紹介する

(8~9面・農業保険)

中山間 次代につなぐ農業(13面・特集)【2024年1月1週号】

 中山間地域は、全国の耕地面積の約4割、総農家数の約4割、農業産出額の約4割を占め、食料の安定供給の面でも重要な役割を果たしている。米の需要減退や資材高騰に加え、高齢化や人材不足など課題が山積する中、文化や環境保全なども含めた次代への継承に、集落営農への期待が高まっている。中山間地域で集落営農を担う3人が、世代や県域を越えて営農や地域の現状、展望をオンラインで話し合った。

(13面・特集)

バイオ炭に注目 資材費削減、環境負荷低減(15面・営農技術)【2024年1月1週号】

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 土壌改良材として、木材や竹、もみ殻などを炭化させた「バイオ炭」が注目されている。原料は国産で安定確保でき、土壌の透水性や保水性の改善、保肥力や有用微生物の増加など生育を安定させる効果や資材コスト低減なども期待されている。最近は国際的に、温室効果ガスを土壌に貯留する温暖化防止技術として評価され、国内では温室効果ガス削減・吸収量を企業などへ販売できる「J-クレジット」制度の対象であり、利用促進への政策支援も整備されてきた。農業者による地域ぐるみの取り組みや土壌改良効果、支援施策などを紹介する。

(15面・営農技術)

〈写真:大規模果樹園で試験施用するバイオ炭を手に阿部代表〉

獣医師へ導く/地域、大学、NOSAIなどが連携【北海道版・2024年1月1週号】

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 酪農学園大学地域総合交流推進協議会では、農林水産省が2011年に始めた産業動物獣医師修学資金制度を活用し、地元から獣医師を育てる事業を担う。23年に酪農学園大学(江別市)を卒業した湧別町出身の竹中匡貴さん(24)は、この制度を活用し、佐呂間家畜診療所(NOSAI北海道オホーツク統括センター)に就職した。地元から獣医師を育てようと地域が取り組む事業の1期生として産業動物診療獣医師の道を歩み始めた。 

〈写真:研修期間中の竹中獣医師〉

家族の力 輝きの源【やまがた版・2024年1月1週号】

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 前向きなエネルギーをもって、農業に取り組む親子。畑での作業や季節の移り変わりを通じて築かれた絆は、家族の結束を強め、地域に新たな活気を生み出している。2024年、新しい1年に込める夢や目標、地域への貢献に焦点を当てて紹介する。

〈写真:父と娘、そして社長と従業員として互いに信頼を寄せる(天童市の押野和幸さん、長女の日菜子さん、次女の寧々さん)

個性がキラリ【関東版・2024年1月1週号】

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 スーパーや市場でなかなか見られない農作物の栽培や、オリジナル品種の育成に情熱を注ぐ農家たち。独特の食味や特徴を持った外観、効能などを武器に差別化を図っている。一方、アドバイスをもらえる生産農家が周囲にほとんどいないため、創意工夫や試行錯誤を重ねて道を切り開いてきた。こうした珍しい農作物を栽培する農家に、生育にまつわるエピソードや技術、思いなどを聞いた。

〈写真:鴻巣市で花きを栽培し、アネモネの品種改良に取り組む石河正義さん。「今は、チョコレートのような深い色合いのアネモネを育種しています」と話す〉

地域で受け継ぐ自慢の農産物【近畿版・2024年1月1週号】

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 「品質重視」――地域に根付いて、伝統野菜や特産品の生産に取り組む農業者を、近畿6府県から紹介する。

〈写真:伝統野菜「守山矢島かぶら」を収穫する滋賀県守山市の西直幸さん。「後世に継承したい」と話す〉

駆け上がるわたしたち【中国版・2024年1月1週号】

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 自分の理想や目標を実現するため、農業と懸命に向き合い、思い描く未来を目指して、日々駆ける農業者たち。新たに始めた取り組みや抱負を話してもらった。

〈写真:ブドウの苗木を2022年に植え就農した広島県神石高原町の田邉聖子さん。「しっかり管理して満足のいく木を育てたい」と話す〉

頼もしい担い手たち【九州南版・2024年1月1週号】

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 夢や希望、不安などさまざまな思いを抱えて就農し、営農を続けてきた担い手たち。夢を実現するため、自身の課題と向き合いながら邁進する農業者を紹介する。

〈写真:完全放牧を目指す鹿児島県湧水町の西ノ村高志さんは「見た人に魅力を与えられるような経営ができれば」と話す〉

防風林「食料・農業・農村の振興へ転機となる基本法改正を【2024年1月1週号】」

 ▼今年は辰〈たつ〉年。十二支では唯一の想像上の生き物だ。辰の字は「蜃〈しん〉」に由来し、これは蜃気楼を作り出す想像上の二枚貝のことである。辰には「ふるう」「ととのう」の意味があり、物事が盛んになる、草木が成長して形が整う状態などを指す。中国では竜は神獣とされ、皇帝のシンボルでもある。日本では竜神など水をつかさどる神様であり、各地の神社で祭られている。
 ▼このような由来もあり、辰年は陽の気が動く、活力旺盛、形が整う、成就するなどが期待される年だという。過去の辰年では、東京オリンピックの開催(1964年)、青函トンネルの完成(1988年)、東京スカイツリーの開業(2012年)など大きなイベントや大型建造物の完成と重なる。一方で戊辰戦争(1868年)や日露戦争(1904年)なども起きた。この数年、世界では戦争・紛争の拡大が続く。まずウクライナやパレスチナなどの紛争収束と和平の早期成就を願う。
 ▼今年は、農政の基本指針となる食料・農業・農村基本法の四半世紀ぶりの改正が予定されている。「食料安全保障の確立」は言葉として物々しい印象もある。しかし、戦争・紛争のほか、気候変動や世界的な人口増加など、食料の生産と供給をめぐる昨今の情勢変化は著しい。将来に向けて日本の農業・農村の在り方を国民を挙げて議論する意義は大きい。法改正を機に、農業・農村の活力向上や持続可能性への展望が開けたとなれば、次代を担う若者にも胸を張れるだろう。

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