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今週のヘッドライン: 2017年05月 4週号

農への姿勢 私らしく ―― 埼玉県熊谷市・塚田とよ子さん(1面)【2017年5月4週号】

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 埼玉県熊谷市西野の塚田とよ子さん(70)は、古代もち麦の栽培に取り組み、品質の高さが評判となり全国の消費者から注文が殺到、規模拡大に乗り出している。塚田さん方では、古代もち麦の他に水稲「ミルキープリンセス」2ヘクタールや米麹〈こめこうじ〉なども生産。夫・修さん(70)が水稲作業を中心に従事し、夫妻で得意分野を分担した営農形態を採る。とよ子さんは、市の農業委員として、地域農業の活性化にも力を注ぐ。

(1面)

〈写真:古代もち麦の圃場でとよ子さん。「少雨で生育が遅れたけれど、よく持ち直してくれた」と笑顔〉

農地バンクの16年度実績前年割れ(2面・総合)【2017年5月4週号】

 農水省 対策を強化へ
 農林水産省は23日、農地中間管理機構(農地集積バンク)の2016年度実績(3月末現在)を公表した。機構を通じて新たに担い手に集積された面積は前年度比約3割減の1万9千ヘクタールとなり、機構を介さないものも含めた担い手の集積面積は6万2千ヘクタール増加したものの、伸び率は鈍化した。同省は、政府目標(23年度に担い手の農地シェア8割)の達成に向け、農業委員会改革と連動した推進体制の強化や、改正土地改良法を踏まえた基盤整備との連携強化など機構の利用拡大策をてこ入れする。ただ、農地の利用状況は地域ごとに大きく異なる。

(2面・総合)

大豆共済 経営安定に不可欠(5面・NOSAI)【2017年5月4週号】

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 国産大豆は消費者ニーズや高付加価値により、需要は増加傾向で、今後も需要が堅調になる見込みだ。需要が増加する中、価格、供給量、品質の安定が重要になるが、大豆は湿害や気象変動により作柄が左右されやすい。このような自然災害に備えて大豆共済に加入し、経営安定を図ることが重要だ。大豆生産の現状や、大豆共済の仕組みについて、共子さんが済太郎くんに聞いた。

(5面・NOSAI)

〈表:大豆共済の仕組み〉

広がるジビエ利用 ―― 島根県美郷町・おおち山くじら生産者組合(7面・特集)【2017年5月4週号】

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 島根県美郷町の「おおち山くじら生産者組合」では、有害駆除した夏イノシシの有効活用を進め、「山くじら」と名付けたイノシシ肉のブランド化に成功した。農家や猟友会員など104人からなる駆除班を組織する。箱わなで捕獲したイノシシを小さなおりに移し、食肉処理施設まで生きたまま運ぶことで、鮮度の高い精肉を確保。皮は名刺入れなど皮革製品に、骨や内臓などの残さは家畜飼料に活用して無駄なく使い切る。山くじらと住民の接点を多くつくり、地域振興を主眼に置いた獣肉の利活用を進めている。

(7面・特集)

〈写真:イノシシを逃がさないよう、小さなおりに誘導する〉

農薬危害を未然に防ぐ(14面・資材)【2017年5月4週号】

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 梅雨期や夏に向けて、農作物の病害虫の発生状況が気になるところ。収量の安定化や高品質の農作物を生産するためには、適期防除が必要不可欠だ。農薬を使用する際は、ラベルに表示される濃度や散布方法を守り、適正な防除を心掛けたいもの。しかし、使用時の油断が思わぬ事故につながりかねない。農林水産省では、厚生労働省や環境省などと共同で6月~8月末に「農薬危害防止運動」を実施し、農薬の安全・適正使用や保管管理、環境への影響に配慮した利用を呼び掛けている。使用時の注意点や点検事項などをまとめる。

(14面・資材)

〈図:2011~15年の原因別農薬中毒事故の割合〉

ICT導入 水稲育苗施設を有効利用しミニトマト ―― 福島県会津坂下町・アルス古川(15面・営農技術)【2017年5月4週号】

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 水田40ヘクタールの土地利用型農業を展開する福島県会津坂下町宇内の株式会社アルス古川は、水稲育苗したハウスに各種センサーなどICT(情報通信技術)を活用した養液土耕システムを導入し、ミニトマト1500株などを栽培して農地を有効活用している。施設内の環境変化に対応した施肥や灌水〈かんすい〉を自動化し、水稲の農繁期も遠隔地で栽培環境を確認。システムが基本管理を安定的に補助することで、農作業の経験年数を問わず従業員に管理を任せることができる。経営多角化を実現し、自社の営業力向上や人材育成にもつなげている。

(15面・営農技術)

〈写真:従業員に誘引などを教える純平さん(奥)〉

規制改革会議が答申 卸売市場法の抜本改正を(2面・総合)【2017年5月4週号】

 政府の規制改革推進会議は24日、答申をまとめ、安倍晋三首相に提出した。農業分野では、農業者に有利な流通・加工構造の確立に向け、卸売市場法の抜本的な見直しを提起。経済情勢の変化で合理的理由がなくなっている規制を廃止するため、2017年末までに具体的な結論を出し、必要な法改正を行うとした。同会議・農業ワーキンググループの金丸恭文座長は「過去に卸売業者の第三者販売の原則禁止や商物一致の原則などが議論になったが、(現行制度)全体を議論していく」と述べた。

(2面・総合)

NOSAIにお任せください(24) ―― 宮崎県・NOSAI連宮崎(5面・NOSAI)【2017年5月4週号】

 NOSAI連宮崎(宮崎県農業共済組合連合会)の生産獣医療センターでは、新任獣医師を対象にした研修プログラムを策定、臨床獣医師としての知識と技術を基礎から学ぶ機会を提供している。高度な技術を持ち経験豊富な県内のNOSAI獣医師が講師を務め、講義や実習の内容を厳選して指導する。3年かけて技術を向上させるステップアップ方式を採用して8年目、約70人の修了生を送り出してきた。県内だけでなく、九州一円から研修生を募り、より質の高い個体診療と生産獣医療の提供に努めている。

(5面・NOSAI)

避難先で農家に転身【福島県・5月4週号】

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 【福島支局】いわき市泉町本谷で「泉水耕農園 思いやりの丘 フクハウス」を経営する橋本巌さん(58)は、イチゴ、発芽ニンニク、ミニトマトの水耕栽培に取り組み、収穫したニンニクやイチゴを使った6次化商品の開発にも力を入れている。生産した商品は、市内18カ所のスーパーや直売所に出荷し、好評だ。

〈写真:昨年50本定植したトマト「華小町」の前で橋本さん〉

若手花き農家が結束【福岡県・5月4週号】

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 【福岡支局】筑後地方の若手花き農業者がグループ「花族流儀」を結成し、地域の花き栽培を盛り上げようと、勉強会や花きPRイベント「花祭」に取り組んでいる。
 「グループの活動が自分を成長させてくれます」と話すみやま市の田中稔久さん(40歳、ダリア40アール)や筑後市の下川将史さん(38歳、キク130アール)を中心に昨年5月に結成。意欲ある農業者であれば誰でも参加でき、現在は電照ギクや草花(八女市)、ガーベラ(広川町)、植木(久留米市)など40人が参加する。

〈写真:「花祭」で来場客に花の説明をする田中さん〉

激辛トウガラシで独自の加工品【奈良県・5月4週号】

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 【奈良支局】「激辛トウガラシの市場を確立していくことにやりがいを感じます」と話す、桜井市の芥川雅之さん(48)。母親と二人でトウガラシ25アールを栽培しながら、一味の製造にも取り組む。
 トウガラシは加工用に「ブート・ジョロキア」や「カロライナリーパー」「モルガスコーピオン」などおよそ15品種、観賞用や出荷用苗も多数手掛けている。

〈写真:商品を手に芥川さん〉

ゆとり大事に小規模養豚【神奈川県・5月4週号】

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 【神奈川支局】南足柄市の相原海さん(37)、佑子さん(40)夫妻は、食品工場などから出る食品残さを使い、輸入飼料に頼らない養豚を行っている。地域内で手に入る餌で育て地域で消費するという地域内循環と、夫婦でできる小規模養豚を実践している。
 農場は、2003年4月に子豚4頭から始めた。現在は大ヨークシャー種とバークシャー種の母豚計2頭を含めた30~50頭を飼育している。
 農園では約16平方メートル当たり4頭としている。豚のストレスがなく、尻尾を切る必要が無いという。

〈写真:生後1週間の子豚を見守る相原さん夫妻〉

ラップサイロ用高床式保管台を自作【長崎県・5月4週号】

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 【長崎支局】「ラップサイロ台を地面から20センチ程度離すことで、ネズミの食害がなくなった」と話す前川義隆さん(58)。佐々町で建設会社に勤めながら繁殖和牛4頭を飼育する前川さんは、ラップサイロの保管台を自作した。
 材料には使っているのは角径鋼管と丸パイプの切れ端だ。鋼管をクランプで結合して組み立てる台よりも突起物が少ないため、積み込む際にラップサイロを傷つけず、ロスが少なくなったという。

〈写真:「鋼管の溶接だけです」と前川さん〉


ハウスミカンに「地温冷却」導入【徳島県・5月4週号】

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 【徳島支局】「地温冷却」技術でハウスミカンの早出し出荷に取り組む、阿南市桑野町中富の村上元晴さん(73)。10アールのハウスで「上野早生」を栽培し、通常のハウスミカンより約半月早く収穫する。
 通常のハウスミカン2品種と合わせた栽培面積は39アール。妻の久枝さん(70)と8月上旬まで収穫で忙しい。

〈写真:出荷に忙しい村上さん〉

POSレジ導入で取扱高倍増【岡山県・5月4週号】

 【岡山支局】井原市芳井町にある芳井町特産品直売所では、商品管理を徹底するため、POS(販売時点情報管理)レジを導入。これにより、取扱高が導入前の2009年から3.5倍まで増加し、廃棄商品も少なく抑えることに成功した。
 直売所は、地元の生産者ら約120人で組織された生産者組合が新鮮・安全な野菜を出荷・販売している。
 直売所を取り仕切る山口伸治代表代行は「情報管理によって生産者は自分の作物が売れていくことが目で確認できる。消費者にとっては必要とする商品がタイミングよく店頭に並ぶ」と話す。

防風林「農家の意識改革が集落の将来を決める【2017年5月4週号】」

 ▼大区画畑が黄金色に染まる麦秋風景を熊本で見た。集落営農に行き詰まり、今は法人経営体が一帯を耕作するという。記憶によみがえったのが、かつて訪ねた一集落一農場法人の代表者。「全農家の意識改革が重要だった」と住民合意を求め奔走した。
 ▼各戸所有の古い農機は廃棄処分してもらい、新しい機械は法人が買い上げて減価償却後に処分、大型農機を導入し共同所有にする。「もう"個人経営には逆戻りできない"との状況を知ってらうのが目的」と言う。
 ▼だが、「運営が行き詰まり田んぼが返ってきても、田植機やコンバインがなければ米は作れない。機械はその時の保険」と多くが反対。その通りだと思った。「私も田や機械を法人に委ねる」では、説得力はない。法人設立後の経営計画書を作り根気強く各戸訪問を繰り返す。「私の意識改革から始まった」と彼は明かす。
 ▼水稲は専任者を決め、労力不足には土日でも従事できる組合員を募った。畑地転換し野菜と飼料作を導入。野菜は高齢者に託し、米粉パン工房を併設した直売所は女性の副収入の途に......など雇用創出を配慮した
 ▼同法人は多角的な事業を展開させて今もなお健在。農地中間管理機構による農地集積を進める今、営農の継続を願う小さな農家を切り捨てる"農地置いてけ堀"では、人の姿が見えないあの麦秋風景が増えるばかり。そこに住む農家の意識改革で、集落は生き返ることが可能だ。

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