規格外などにより、食べるには支障がないのに販売できない食品を、農家や業者から寄贈してもらい、経済的な困窮者や福祉施設などに提供する「フードバンク」の活動が全国で広がりをみせる。趣旨に賛同し協力する農家が収穫体験を受け入れるなど、食材提供にとどまらず、交流を生む活動も始まっている。
※フードバンクとは
食品企業の規格外品や余剰品などを引き取り、福祉施設などへ無料で提供する活動。米国で40年以上の歴史があるが、国内では2000年以降に民間組織を中心に設立され始めた。
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海外の事例も含めフードバンクを研究する愛知工業大学経営学部の小林富雄准教授に、その意義や、国内での展望を聞いた。
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〈写真上:「農家にとってはありふれていても、食べたことがない人も多い」と功刀(くぬぎ)さん。子供たちへのお土産のサクランボを準備する〉
〈写真下:「農産物は余りやすい性質があるからこそ、分け合う仕組みも大切」と小林准教授」〉