「農業だけでなく、生活全体を自分たちの手でつくっていきたい」と話す、長野県佐久市湯原の谷川ゆかりさん(31)。夫の拓也さん(33)と共に水稲などを栽培し、個人向けに販売している。結婚前はそれぞれ別々の場所で営農していたが、佐久市に二人で移住し、2年目の作付けを迎えた。集落の集まりに積極的に参加するなど、地元住民と密接に関わり信頼関係を築いてきた。春太朗くん(1)の子育てをしながら春から秋は農作業に励み、冬は竹細工や県内の伝統工芸を習いに出向き、受け継がれてきた生活の知恵を身に付け、技を磨く。地域内の休耕地が増える中、田植え体験などのイベントを企画して人を呼び込み、農村の豊かさや暮らしの魅力を伝えている。
(3面・暮らし)
〈写真:「失敗もあるけれど、それも含めて農業は面白いね」とゆかりさん、拓也さん。息子の春太朗くんと〉