【茨城支局】水稲鉄コーティング直播栽培に6年前から取り組む桜川市の有限会社木植営農センター(佐谷英雄代表=74歳、構成員5人)。水稲38ヘクタールなどを生産する営農センターは、「コシヒカリ」と「日本晴」「マンゲツモチ」、新規需要米「あさひの夢」を作付けし、今年はあさひの夢7ヘクタールで鉄コーティング直播栽培を行っている。
佐谷代表は栽培のメリットを四つ上げる。(1)コーティングする作業は農閑期にでき、種子は長期間保存できる(2)育苗の手間やコストがかからず、育苗ハウスも必要としない(3)苗出しなどの作業が無いので人手が少なくて済み、田植え時間も短縮できる(4)稲刈りの時期が移植栽培と比べ、10日ほど遅くなるので作業が分散化できる ―― ことだ。
反面、圃場を平らにするなどしているが、全てが同じ硬さというわけにはいかず、発芽の途中で種子が腐ってしまったこともあるという。
佐谷代表は「栽培を始めて1年目は除草、2年目は殺虫など1年ごとに課題をクリアしていく感じで、いまだに試行錯誤している」と話すが、「今年はあさひの夢だけだが、来年は他の品種にも拡大し、面積を徐々に増やしていきたい」と意気込む。