福島県須賀川市和田の阿部農縁〈あべのうえん〉(寺山佐智子代表)では、25アールでモモを栽培し、規格外を除いた全量を直販する。樹上完熟させたモモと、生産者の顔が見える販売方法が人気を集め、県外への贈答用として引き合いが強い。50%以上を占める規格外品は「桃のコンポート」(シロップ煮)に加工し、市内のスーパーマーケットや県内外の催事で販売するなど無駄なく使う。阿部農縁の近況を伝える「紡ぎ新聞」を毎月発行するほか、お茶会やヨガ教室などを開いて消費者との縁を深め、販売の継続につなげている。2014年は加工品と合わせて約1千万円売り上げた。
(9面・流通)
〈写真:摘果作業をする佐智子さん(左)と正子さん。95%を落とし、残り5%に味を凝縮させる〉