酪農家が乳牛に蹴られたり、足を踏まれたりする事故の報告数が増加している。北海道農作業安全運動推進本部によると道内の牛が原因となった死傷事故は、2013年度は716件で04年度の570件から25.6%増加している。農研機構・生研センターで農作業安全に関わる評価試験部の志藤博克室長は「事故で長期間、飼養管理から離れると経営に大きな影響を与える。特に夫婦2人など家族経営では継続できなくなる」と強調する。事故を未然に防ぐためには、牛へのストレス低減で突発的な行動を減らすことや、牛のさまざまな行動を予測しながら作業することが重要だ。現状や対策を有識者などに聞いた。
(1面)
〈図:牛による事故発生状況の推移〉