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プラウ耕・グレーンドリル播種体系 大規模水田営農へ ―― 岩手県花巻市・有限会社「盛川農場」(1面)【2012年5月2週号】

120516_01+02.jpg 岩手県花巻市の有限会社「盛川農場」は、水稲、麦、大豆を中心に延べ64ヘクタールの土地利用型農業を展開する。今年は、水稲19ヘクタールのうち14ヘクタールで乾田直播を導入し、生産コストの大幅な削減と省力化を図る。農研機構・東北農業研究センター(盛岡市)などと協力して、実証試験を重ねてきた。乾田直播栽培「プラウ耕・グレーンドリル播種体系」による安定生産に取り組む。「技術革新しないと産業としての農業は生き残れない」と、代表の盛川周祐(しゅうすけ)さん(60)。高齢化が進む地域の担い手として、水田営農の可能性を追求していく考えだ。


 「うちの田んぼはスニーカーで入れるよ」と笑顔で話す周祐さん。妻の裕子(ひろこ)さん(57)、娘の風子さん(27)、息子の祐(ゆう)さん(25)の家族4人で盛川農場を経営する。
 今年は水稲のほか小麦33ヘクタール、大豆9ヘクタールなど、延べ約64ヘクタールを作付けする予定だ。米は販売業者に直販し、麦・大豆は主にJAを通して出荷する。ジャガイモはポテトチップス加工や地元の学校給食用に出荷する。
 水稲の乾田直播には2007年から取り組み、面積を徐々に増やしてきた。今年の乾田直播は14ヘクタールと、移植面積の3倍程度となる。効率的な播種、収穫ができるよう30アール規模の2〜3圃場を合筆し大規模化した。
 プラウ耕・グレーンドリル播種体系は、大規模麦作で使用する播種機「グレーンドリル」や、鎮圧機「カルチパッカー」など既存の農機を活用するのが特徴。圃場の乾燥と、漏水管理がポイントとなる。
 東北農研センターや岩手県農業研究センター(北上市)と行った実証試験は昨年度で終了した。盛川農場の乾田直播での10アール当たり労働時間は約4.8〜6.4時間(東北の平均は24.5時間)、60キロ当たり費用合計は6500〜8400円(東北の平均の54〜69%)となり、格段の効率化が図られている。品種は、直播適性に優れた「萌(も)えみのり」で、600キロを超える単収を実現している。
 地域では高齢化が進み、耕作の継続が困難な耕地が年々増えている。周祐さんは、「担い手への集約化は一層進む。将来、数百ヘクタールの水稲を栽培することになれば、移植栽培ではとても間に合わない。雪解け後に集中する春作業を分散化できるのも魅力だ」と強調する。
(1面)

〈写真:播種機・グレーンドリルの説明をする盛川代表。麦用播種機を活用することで、設備投資を抑えられる〉
〈図:ブラウ耕・グレーンドリル播種体系の流れ〉

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