「今期は3割減収した。4~5割の減収となっている農家もある」と話す浜川明吉さん(71)=沖縄県南大東村旧東。南大東村さとうきび生産組合長を務め、妻の澄子さん(67)と2人で、サトウキビ8.6ヘクタールを栽培する。島(周囲20.8キロ)の約6割をサトウキビ畑が占め、基幹産業となっている。毎年のように台風と干ばつに襲われる島では、サトウキビ共済が農家の経営安定に大きな役割を果たしている。
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「さとうきびは島を守り、島は国土を守る」。収穫の最盛期を迎え、24時間フル稼働する沖縄県南大東村の製糖工場の煙突に大きく書かれている。南大東島は、那覇市から東へ約360キロに位置する。
島では、約240戸がサトウキビを生産する。8~10月ごろに植え付けて翌々年に収穫する「夏植え」、3月ごろに植え付けて翌年収穫する「春植え」、収穫後に圃場に残した株から芽出しさせて栽培する「株出し」の3通りある。年末から3月ごろにかけて収穫する。大型機械の導入が進み、一貫した機械作業体系を採る。1戸当たりの栽培面積は約8ヘクタールと大規模だ。
昨年末から今年3月ごろまで収穫する今期は、昨年1~3月の低温の影響で、発芽不良、生育不良が生じた。生育期には干ばつが発生し、7月の台風6号は、潮風害と茎折れをもたらした。「サトウキビ以外の作物は全滅してしまう。この島で作れる唯一の作物がサトウキビだ」と、浜川さんは話す。
今期の島内の収量は、5万3千トン程度と見込まれる。豊作だった昨シーズンの約9万トンから大幅な減収となった。4回の台風と干ばつに見舞われた05年末から06年上旬にかけて収穫したシーズンは、生産量が3万トンを割り込んだ。
サトウキビ共済(全相殺方式)は、糖度を加味して減収量を算定し、農家ごとに2割以上の減収となった場合に共済金を支払う仕組みだ。
共済連絡員と南区長を務め、サトウキビ70ヘクタールを栽培する宮平昌さん(74)=南大東村南=は、「健康保険と同じ。必ず加入しておいた方がいい」と強調する。台風や干ばつなどの自然災害に見舞われない年は、5~7年に1度しかないという。現在、圃場面積の約65%が加入し、加入は増加傾向にある。組合の総代を20年以上務める浜川さんも、「共済金で助かったという人は多い。もしもに備えて、加入すべき」と話す。
(5面・NOSAI)
〈写真上:サトウキビ畑に立つ浜川さん夫婦〉
〈写真下:宮平さんが35年前に購入した大型トラクター。経費削減のため、溶接や機械修理も自分でする。「あと10年は乗るよ」と笑う〉